奈良教育大学附属小学校不当出向命令無効確認訴訟のその後(弁護士 兒 玉 修 一)

 2024年7月29日付の当事務所のブログで報告させていただきました奈良教育大学附属小学校不当出向命令無効確認訴訟ですが、2025年8月7日、奈良地方裁判所において和解が成立しました。原告となった3名の教諭は、この4月、既に同小学校に復帰しておりますので、今回の和解は、今後のことについて、大学とのルール設定の意味合いが大きいです。
 報道にあるような「勝訴判決」と書かれた垂れ幕を掲げるようなセンセーショナルな場面はありませんでしたが、なんとか原告の皆さんに同小学校に復帰してもらうことができ、代理人としては、一安心です。ただ、労働のルールをゆがめた無理な出向が残した傷跡は、簡単には回復しません。また、教育界の皆さんの関心を集めた学習指導要領の法的な拘束力が認められる範囲や教科書の使用義務をめぐる議論にも、結論はでていません。現場での激しい論争は、これからも続くと思います。
 ところで、今回の訴訟を通じて、小学校の先生方が、子ども達の学校生活や学習をすすめるために、日々、奮闘されている様子を垣間見させていただきました。「プロの世界」は、外部の者が簡単に理解できるような代物ではありませんが、ふと自分の昔のことを振り返ると、「ちょっと申し訳なかったかなあ」と感じています。宿題を忘れるのは勿論、教科書忘れる、ノート忘れる、消しゴム忘れる、鉛筆削ってこない、授業中におしゃべりするなど、先生や同級生の邪魔をしてばかりでした。どっぷり「昭和」な当時のことですから、バツとして「立たされる」のは日常茶飯事で、「ひっぱたかれる」こともありました。もっとも、あまり勉強熱心なエリアの小学校ではなかったからか、同じ失敗を繰り返す「お仲間」も必ずおりました。こんなとき「1人ではない」というのは、とても心強いものです。ホッとして、一緒に教科書を忘れた同級生が「仏」に見えてきます。その結果、お互いに、あまり反省は深まらず、何度も同じ失敗を繰り返すハメになっていました。
 当時の先生方にお会いする機会があるのかは分かりませんが、絶対に謝らないといけませんね。ただ、今から振り返っても、体罰自体には意味がなかったと思います。