富士山(2)(弁護士 井上泰幸)
2024年1月のブログで私が富士登山をしたときのことを書きました。寒さで震えながら、ご来光を待ち、なんとか無事にご来光を見ることができたというところまで書いたかと思います。今回はその続きを書きたいと思います。
ご来光を見たのがちょうど2016年8月5日午前5時ころでした。明るくなって全体像が見えてくるのですが、実はご来光を見るために陣取っていた場所は頂上と言っても、日の出を見るスポットであり、日本最高峰の場所はまだ先にあり、そこを含めて火口をぐるっと一周回るお鉢巡りというのがありました。
体力もまだ十分に残っていましたし、お鉢巡りをすることにしました。火口を見ると、万年雪が残っており、やはり寒いわけです。高山病にならないようにゆっくり歩きながら、5時45分ころには剣ヶ峰と呼ばれる日本最高峰の地点に到達しました。「日本最高峰剣ヶ峰」と書かれた石碑がありましたが、人も多かったので、写真だけ撮ってお鉢巡りを続けました。お鉢周りをしているとまさに絶景が広がっており、富士山の影が頂上から見下ろせる「影富士」と呼ばれるものや富士五湖が見渡せました。1時間くらいかけてお鉢巡りを終えたでしょうか、有名だと思いますが、頂上には売店と自動販売機があり、カップラーメンが1000円程度で売られていました。悩みましたが、購入はせず、持参していたブラックサンダーで我慢しました。
そして、ここからが二番目に大変な出来事でした。一番は寒さだったのですが、二番目に大変だったのが下山です。富士吉田ルートの下りは登りと異なり、ひたすらつづら折りの荒寥とした斜面を下っていくものでした。足下は砂や石で歩きづらく、下山すればするほど標高が下がるうえに日中となるため、少しずつ気温も上昇していくという物理的な大変さも然る事ながら、つづら折りの斜面のため単調で面白みがなく、登りのような高揚感もなく、精神的にもなかなか修行のようなものでした。
そんな中ようやく下山を終えて5合目に到着したのは9時過ぎくらいでした。登りの方が長いのですが、体感としては下りのほうが長く感じました。5合目はすっかりガスに覆われ、頂上とは違いました。今から10年前のことですが、このときも5合目に着くと外国人を含む観光客がたくさんいました。その後バスで駐車場に戻り、富士山を後にしました。
このあとの行程は正確には覚えていないのですが、お昼にどこかで富士宮焼きそばを買って食べたことと、富士山の近くのスーパー銭湯で疲れをとったことは覚えています。露天風呂があって平日日中なのでかなり空いていたことは覚えているのですが、どこの銭湯だったかは忘れてしまいました。
そして、帰途に就きます。行きとは反対に新東名、伊勢湾岸道、東名阪、名阪国道と帰っていきます。帰りはさすがにへとへとになっており、安全のためにも新東名ではほぼすべてのサービスエリアで停車して休憩をゆっくりとって帰りました。ただ富士山の頂上とは異なり、気温はとても暑かった記憶があります。東名阪のもっとも西側のサービスエリアである御在所サービスエリアで撮影した写真が23時55分でした。自宅に着いたのは日付が変わっていたはずです。
これで私の富士山の登頂記はおしまいです。ご精読いただきありがとうございました。
