家事調停手続きのウェブ出席(弁護士 幸田直樹)
当事務所では離婚や遺産分割などの家事事件を取り扱っております。
家事事件の特徴の1つとして、民事事件とは異なり、調停という制度を利用することが多くなります。
調停を利用することが多くなる理由は複数ありますが、まず一つ目として、訴訟を提起する前に、まず家事調停を申し立てなければならないという、調停前置主義が採用されていることです。訴訟(いわゆる裁判)手続きが設けられている離婚事件などでも、いきなり訴訟提起することは通常認められず、裁判所が職権で調停に付すことができます。
また、訴訟手続きが認められていない審判事項などでも、通常は審判を求める前に、家事調停を経ることが相当とされることが多いところです。
さて、調停手続きを行う際に、どこの裁判所を用いるかについては(管轄といいます)、基本的に相手方の住所地とされています。
つまり、奈良県橿原市で生活していた夫婦(AさんとBさん)について、別居する際に、Aさんが遠方の実家(例えば福岡市)に戻った場合、Bさんから離婚調停等を申し立てる時には、福岡家庭裁判所へ手続きを採る必要があります。
その後も、家事調停が福岡家庭裁判所で実施されるということになります。
家事調停は、1回で終了することは少なく、通常何回も期日を重ねて話し合いを詰めていくものです。
この点、従来においても、家事調停期日のうち、特に離婚といった身分に関するものは、途中の協議のための調停期日はともかく、最後の離婚成立の際は、実際の家庭裁判所に赴いて、裁判所にて離婚意思の確認を行う必要がありました。
そうすると、最後の調停期日は、どうしても現地の裁判所へ行くため、交通費等の費用が生じてしまっていました。
過去、私が担当した事件でも、途中の調停期日は、電話会議等で当事務所を用いて対応できたものの、最後の調停成立の時には現地に赴いたことが何度も行っておりました。この場合、協議は尽きておりますので、最後の確認のため、実質10分程度のために、出席を要しておりました。
しかし、令和7年3月より、法改正がなされ、協議のための調停期日のみならず、離婚などの調停成立の時においても、ウェブ会議等を用いて対応することが可能となりました。
この1年、私自身が担当した事件の状況を見ると、当事者が希望すれば、裁判所も、上記例のような極めて遠方という場合に限らず、例えば奈良大阪間であっても、ウェブ会議等での手続きを行うこと自体は柔軟に認めてくれる傾向にあります。
これにより、依頼頂く方の負担を軽減する形での手続き選択が可能になったかと思います。また、当事務所でも、ウェブ会議での調停等の増加を見越して、先日、事務所の改装を実施しておりますので、調停期日のウェブ対応についてもご提案させて頂ける状況です。
このように、相手方や利用する裁判所が遠方という事情があっても、出来る限り余分な負担を少なくして手続きを進められるよう尽力致しますので、家事事件に関してお悩みの方も、一度当事務所にご相談下さい。 以上

