民事訴訟における控訴・上告期間について(弁護士 井上泰幸)

 今回は控訴期間について少し解説します。なお、以下で民事訴訟法(以下「法」といいます。)の条文を引用しますが、いずれも令和4年法48号の改正後民事訴訟法(2026年5月に施行予定)の条文です。

 日本の裁判制度は三審制をとっており、裁判所の判決に不服がある場合は、不服申立(上訴)ができます。第一審の判決に対する不服申立を控訴、第二審の判決に対する不服申立を上告といいます。民事訴訟における控訴期間及び上告期間は、送達を受けた日から2週間以内とされています(法285条、313条)。なお、期間の計算において初日は参入しないというという原則があります(民法140条)。

 例えば、2026年1月9日に判決言渡しがあり、同月13日に送達を受け、受領したとすると、そこから2週間です。初日は算入しませんので、1月14日が1日目となり、そこから14日目ですので、控訴期限は1月27日となります。つまり、判決の送達を受けた日に+14した日が期限の日となります。この期限を過ぎてしまうと誤った内容の判決がなされたとしても不服申立をすることが原則としてできなくなってしまうので、とても重要な期限です。ちなみに、期間の末日が土日祝日、年末年始(12月29日~1月3日)にあたるときは、その翌日が期限となります(法95条3項)。

 従来は、判決の送達は、原則として、裁判所から郵便により送られていました。しかし、民事裁判手続のIT化が進行しており、2026年5月からは、電子送達というものが導入されます。その場合、判決書は裁判所のシステム上にアップロードされ、これを送達を受けるべき者が①閲覧したとき、②ダウンロードしたときまたは③閲覧ダウンロードすることができる旨の措置がとられた旨の通知が発せられた日から1週間を経過したときのうちいずれか早い時に効力が生じるようになります(法109条の3)。現在は判決は郵便できたものを受け取って内容を精査して控訴するかどうかを検討していますが、今後は裁判所のシステムにアクセスして確認することになります。通知がきてから1週間で受領したことになってしまう点にも注意が必要です。

 現在、着々と民事訴訟手続のIT化が進行しており、弁護士もその対応に追われています。弊所でもIT化に伴うWEB会議に備えて事務所を改装したところです。また、今回は民事訴訟の上訴期間の一部を取り上げましたが、裁判手続で不服申立をする場合の期間制限は様々定められていますので、各手続毎に期間を徒過しないように配慮する必要があります。