富士山(1)(弁護士井上泰幸)

 明けましておめでとうございます。

 2024年も始まりました。正月といえば、初日の出が思いつきます。今年は、どこかに初日の出を見に行ったりはしませんでしたが、初日の出といえば、富士山です。昨年の夏頃には観光客が準備をあまりせずに富士山に登っていることがニュースになったりしていました。

 そこで、今回は私が富士登山をしたときのことを書きたいと思います。

 富士登山をしたのは、2016年8月です。2016年は大学院を卒業した年で、5月に司法試験を受験し、8月は合格発表前でした。これまで、富士山は、見たことがあるだけでしたが、一度は登ってみたいと思っていました。まずは、装備品を揃えるところから始めました。登山用の服を購入し、リュックと靴をレンタルしました。次に、富士山までの経路と登山ルートの確認です。交通手段は自動車で、登山ルートは最もメジャーかつ初級者向けの富士吉田ルートを選択することにしました。山小屋は検討しましたが、当時の体力と日程など諸々考慮して宿泊しないことにしました。最後に、天気の良い日を天気予報で確認しました。やはり富士山といえばご来光ですので、天気は最も重要でした。天気予報では、8月4日と5日は天気が良さそうでしたので、決行を決めました。事前準備は入念にしておこうと思い、8月2日に大台ヶ原に行き、装備品を試用し、感触を確かめ、問題がないことを確認しました。

 そして、8月4日、予報通り天気は晴れでした。ご来光から逆算して、昼の12時ころに自宅を出発したと思います。自宅を出て、名阪国道、東名阪、伊勢湾岸道、新東名と約7時間程度かかったでしょうか、麓の駐車場に到着しました。高山病にならないように、駐車場で約1時間程度、休憩して、5合目に向かう最終便のバスに乗り込みました。5合目でも暫く標高にならすために休憩し、登頂を開始したのが午後9時ころでした。

 富士山は6合目くらいまでは、登山といっても、普通に坂を歩く程度で、途中から少しずつ急坂になっていきます。道中には、手を使わなければ登れないようなところもありましたが、当時も富士山は人気で、夜間でも大勢の人がいるので、道が分からなくなったりすることはありませんでした。大勢の人がライトを照らしながら登山していますが、眼下の富士吉田市の夜景と星はすごく綺麗でした。

休憩しながらも登山を続け、頂上に着いたのは午前3時ころだったかと思います。幸い高山病にもならず、順調に登ってこれましたので、ご来光までにはまだ余裕があり、ご来光を目指して山小屋から出てくる人々よりも先に頂上に到達することができました。どこが一番良い場所かわからず、少しうろうろしてご来光が見えそうな場所を確保しました。

しかし、ここからが一番大変でした。余裕をもって時間設定をしたこともあり、日の出までまだ1時間半程度ありました。この約1時間半がとにかく寒かったです。防寒着は十分に着ているつもりでしたが、登山中はやはり体を動かしているので暖かったのですが、何もせずにじっとしていると途端に寒くなりました。それでもなんとか1時間半まって、午前5時前には人生初のご来光を無事見ることができました。そのときの写真が今回の写真です。場所を確保した際には、周りにこんなに人はいなかったのですが、いつの間にか人集りになっていました。

この後は、お鉢周りや帰路の話もあるのですが、少し長くなったので、今回はここまでにしようと思います。続きはまた機会があれば書きたいと思います。これまで法律コラム的なものを書いていましたが、偶にはこういう方向性のブログも書いていきたいと思います。